クラウドファンディングをきっかけに、初めて「ばあちゃん喫茶」という名前を知ってくださった方も多いと思います。
「ばあちゃんがごはんをつくる、昔ながらの食堂?」
「地域のお年寄りが集まる交流の場?」
そんなイメージを持たれるかもしれません。

もちろん、ばあちゃんがつくる温かいごはんや、世代を越えて人が集まることも大切な魅力です。
ただ、ばあちゃん喫茶が目指しているのは、それだけではありません。
ばあちゃん喫茶は、75歳以上を中心としたばあちゃんたち、ときどきじいちゃんたちが、調理や盛り付け、接客などを担い、働いた分の報酬を受け取る場所です。
年齢を重ねた人を「支えられる側」としてだけ捉えるのではなく、その人がこれまでの暮らしの中で身につけてきた経験や得意なことを、地域の仕事と出番につなげていきます。
ばあちゃん喫茶の取り組みが生まれた背景には、福岡県で「ばあちゃんビジネス」を展開する、うきはの宝株式会社の存在があります。
うきはの宝は、75歳以上のばあちゃんたちが働く会社として2019年に設立され、「生きがい」と「収入」の両方を生み出せる仕事や場所をつくってきました。
福岡市にある「ばあちゃん喫茶 梅林店」では、介護サービスを利用するばあちゃんたちが、定食づくりや盛り付け、接客を担当しています。
このお店が始まるきっかけの一つとなったのは、ある利用者さんが、自宅で毎日のようにトンカツを揚げているという話でした。
介護サービスを利用していても、できることはたくさんある。少しの支えがあれば、長年続けてきた料理の経験を生かし、誰かに喜んでもらうことができる。
その力を地域の中で生かせないかという発想から、ばあちゃん喫茶へと発展していきました。実際にお店に立つと、ばあちゃんたちは手際よく料理を進め、お客さまとの会話を楽しみます。
働いた報酬を受け取ることで、「何を買おうかな」「次も頑張ろう」といった言葉も生まれているそうです。また、働く姿を見たご家族からは、「まだこんなにできるんだ」という声も上がりました。
普段は介護を受ける姿を見ている家族が、お店で働く姿を見ることで、その人の新しい一面に気づくこともあります。
ばあちゃん喫茶が大切にしているのは、できなくなったことだけを見るのではなく、今もできること、やってみたいことを見つけることです。
そして、それを単なるお手伝いやボランティアではなく、仕事として地域につなげていくことです。
私たちが静岡・草薙につくりたいのも、ただ懐かしい雰囲気の食堂ではありません。ばあちゃんたちの料理や経験、人と接する力が、地域の中できちんと必要とされる場所。
食べに来ていただくことが、ばあちゃんたちの仕事と出番につながる場所です。
HONEでは以前、福岡のばあちゃん喫茶を訪ね、実際に働くばあちゃんたちや、運営する皆さんにお話を伺いました。
ばあちゃん喫茶が生まれた背景や、働くことで起きている変化を記事にまとめています。今回のプロジェクトをより深く知っていただくためにも、ぜひご覧いただけたらうれしいです。
▼HONEの記事はこちら
まだまだ輝ける!介護サービスの利用者が働く「ばあちゃん喫茶」
草薙でも、ばあちゃんたち一人ひとりのできることを生かしながら、この地域に合ったお店をつくっていきます。
引き続き、オープンまでの歩みを見守っていただけたらうれしいです。