先日、京都と大阪の飲食店を取材したニュースを見ました。
40度を超える予報が出た日に、来店したお客さん全員のドリンク1杯目を無料にする、京都の老舗焼肉店。実施した日は130杯・約8万円分を提供して、それでも売上は4割増えたそうです。
見事な打ち手だと思いました。ただ、同じ記事にはあと2店が載っていて、私はそちらのほうが気になりました。
大阪のある青果店は、夏になると客足が通常の半分以下に落ちるといいます。そこで、スイカを仕入れ600円のところ500円で売る。1個売れるたびに100円の赤字です。桃もメロンもバナナも赤字で並べる。それでやっと「3割戻ってくる」。オーナーは「ギリギリですね」と答えていました。
もう一軒はうどん店です。猛暑日は全品200円引き。入口に告知の貼り紙が4枚。それでも昼の来店は、普段30人ほどのところが「4人とか5人」。この状態が続いたらやっていけるのかと聞かれて、店主はこう答えていました。
「絶対無理です」
数字で見ると
飲食店ドットコムを運営するシンクロ・フードが、2024年6月に飲食店の経営者・運営者433名に聞いた調査があります。

- 天気予報を意識している ---- 85.5%
- 雨の日は来店数が少ないと感じる ---- 72.5%
- 雨の日対策を実施している ---- 7.2%
- 対策に効果があった 31.6% / 効果がなかった 44.7%
見ているのは85.5%。打てているのは7.2%。
そして打った人のうち、効果を実感できたのは3割ほどです。
なぜ効かないのか
うどん店の店主の言葉に、答えがあるように思いました。
「35度を超えたぐらいから、誰も歩いてなくて」
来ない理由が「暑くて外を歩けない」なら、200円引きでは歩きません。
割引が届くのは「行こうかどうか迷っている人」だけです。そもそも外に出ていない人には、届きようがない。
焼肉店がうまくいったのは、条件が特殊だったからだと思います。40度超は年に数回しかありません(35度の猛暑日のほうは、その時期の京都で15日続いていました)。稀だから話題になる。そして配ったのは値引きではなく「無料の1杯」でした。金額ではなく、来る理由を渡している。
資本と知名度のある老舗だから成立した面も大きいはずです。個人店がそのまま真似できる話ではありません。
ここからが、コミヨホウの話です
この記事を読んで、自分たちが何をする道具なのか、輪郭がはっきりしました。
客足が落ちる日に、お客さんを呼び戻す手は、外れます。相手が動くかどうかに懸かっているからです。
仕込みを減らす手は、外れません。自分の手の中で完結するからです。
コミヨホウがお届けするのは、前の日の夕方に届く「明日は弱気です」という一言です。
その日のお客さんを増やすことは、たぶんできません。
でも、捨てる量を減らすことはできるはずだと思っています。
「天候対策」というと、どうしても集客の話になります。でも個人店にとって確実なのは、仕込み側ではないでしょうか。85.5%が予報を見ているのに7.2%しか動けていないのは、集客側の打ち手が効きにくいことを、みなさん経験で知っているからではないかと思っています。
正直に書いておきます

「捨てる量を減らせるはずだ」と書きましたが、これはまだ確かめていません。
自社のデモ環境で25日間試しただけです。実際のお店で通用するかは、これからです。それを確かめるのが、このプロジェクトです。
減らなかったら、減らなかったと書きます。外れた日があれば、それも書きます。
先行導入10店舗のうち数店は、費用のかからない無償の実証モニター枠として募集しています。飲食店を営んでいる方、またはお知り合いに店主さんがいる方は、お声がけいただけると嬉しいです。
出典
- FNNプライムオンライン/関西テレビ「newsランナー」2026年7月31日放送
https://www.fnn.jp/articles/-/1086972
- シンクロ・フード「飲食店の雨の日対策」に関する調査(2024年6月5日〜12日、飲食店ドットコム会員433名)
https://www.inshokuten.com/foodist/article/7579/