熊川葛(くまがわくず)は、福井県若狭町・熊川宿で守り継がれてきた最高級の本葛。
かつて鯖街道の要所として栄えたここ熊川宿は、日本三大葛の一つに数えられる「熊川葛(くまがわくず)」の産地として知られています。

熊川葛が特産品として世に知られるようになったのは江戸時代。
その品質の高さから、将軍家へ献上される品となり、奈良県の吉野葛、福岡県の秋月葛と並び「日本三大葛」の一つとしてその名を馳せました。
雪深い福井県において寒い時期に製造できる葛は冬季の貴重な収入源でもありました。この地の暮らしを支えてきた熊川葛でしたが、時代とともに作り手が減り、一時はその伝統が途絶える寸前まで追い込まれます。
その危機に立ち上がったのが、地元の有志によって2012年に発足した「熊川葛振興会」。現在でも、葛根を掘り起こすところから、葛粉の精製までを一貫して行っています。
熊川葛の製造の様子は以下のブログにまとめてあります。ぜひ一度ご覧ください。
https://yao-kumagawa.com/topics/hotel/80/

熊川葛の伝統を守ってきた熊川葛振興会ですが、発足から10年余りが経過し、これからの会のあり方を模索するタイミングにきています。
そこで昨年より私たちも葛の製造のお手伝いに入らせてもらうことになりました。2年前にオープンしたアウトドア施設山座熊川が冬季に閉場するため、スタッフが冬場の作業を手伝わせてもらうことに。徐々に熊川葛振興会さんとの交流も広がり、今年から葛製造の一部を一緒にやらせてもらうこととなっています。
地域の貴重な資源である熊川葛の製造に関わらせてもらえることは、私たちにとってとてもありがたい体験です。熊川葛振興会のみなさんに教えてもらいながら、熊川の伝統を絶やすことなく少しでも熊川葛をもりあげていければと思っています。
これは昨年はじめて葛堀りに同行させてもらったときに採った葛根の写真です。熊川葛の本葛はこのように若狭の山から実際に葛根を集めて製造をしています。
ひょろひょろした葛のツタからは想像できませんが、こんな人の足より太い根っこ(葛堀りをするときはイモとよんでいます)を地面から掘り出し、山から葛加工所まで持ち帰ります。

これは掘り出している時の写真です。葛堀りは、クワとノコギリとチェーンソーを身につけ山の斜面でするとても大変な作業です。はじめて葛堀りをした時はその後3日くらい身体中が筋肉痛になりました。
今回挑戦しているクラウドファンディングで整備する文化体験スペースでも、熊川葛をつかった文化体験を提供していきます。基本は葛湯などを味わってもらうプランになるかと思いますが、希望される方にはこの葛堀りを実際に体験してもらえればと考えています。昨年も2組ほど実際に葛堀りに参加をしてもらいました。
地域の山で葛を堀り、地域の拠点で昔ながらの製法で葛をつくっているのは今では熊川だけではないかと言われています。
ぜひみなさまにも熊川葛を食材として、また文化体験として、味わってもらえれば幸いです。