活動報告⑤ 「若者の声が、まちの未来をつくる」——こうとう未来ミーティングに参加しました
7月29日、ウクライナの高校生と教員は、江東区で開催された「こうとう未来ミーティング」に参加しました。
「こうとう未来ミーティング」は、区内の中学生・高校生をはじめとする若い世代が、江東区長や行政の皆様と直接対話し、結婚、仕事、子育て、地域の未来などについて意見を交わす場です。
行政が若者に何かを一方的に説明するのではなく、若者自身が日々感じていることや、これからの地域に望むことを率直に言葉にし、行政の皆様がその声を受け止める。その様子を間近で見ることは、ウクライナから来日した高校生や教員にとって、初めての経験でした。

「話し合って終わり」ではないことへの驚き
特に印象的だったのは、若い世代から寄せられた意見や要望が、実際の取り組みにつながっていることでした。
武道館高等学校のオリガ校長先生からは、次のような言葉がありました。
「若者の声を聞く機会を設けるだけでなく、そこで出された意見が実際の取り組みに反映されていることが、とても素晴らしい」
若者が発言する機会を設けるだけでなく、その声を社会の変化につなげていく。その仕組みと姿勢に、校長先生も生徒たちも強く心を動かされていました。
若い世代が「自分たちの意見は聞いてもらえる」「自分たちにも、地域や未来を変える力がある」と感じられることは、とても大切です。
それは単に自信を持つということだけではありません。社会の一員として周囲の課題に目を向け、自分の考えを言葉にし、異なる意見を持つ人と対話しながら、より良い未来をつくろうとする力を育てることにつながります。
生徒たちが自ら始めた「6つ目のグループワーク」
ミーティングでは、参加者が複数のグループに分かれ、テーマについて話し合う時間も設けられていました。
ウクライナでは、このように生徒同士が自由に意見を出し合い、グループで考えを深める活動を経験する機会は、まだ多くありません。高校生たちは、それぞれのグループを興味深そうに回りながら、日本の同世代がどのように意見を交わしているのかを熱心に見ていました。
そして、私にとって最も印象的な出来事は、グループワークが終わりに近づいた頃に起こりました。
ウクライナの高校生たちが自然に集まり、会場の一角で、自分たちだけの「6つ目のグループ」をつくり始めたのです。
「では、ウクライナはどうだろう?」
「自分たちの町では、若者の意見を伝える機会があるだろうか?」
「学校の中で、私たちにできることは何だろう?」
誰かに指示されたわけではありません。
目の前で見た日本の取り組みを、自分たちの国、町、学校に置き換え、高校生たちは夢中になって話し始めました。その時の一人ひとりの目は、本当に輝いていました。
日本の制度をただ「素晴らしいもの」として見学するのではなく、自分たちの社会と比較し、「何を持ち帰れるのか」「自分たちなら何ができるのか」を考え始めたこと。それこそが、今回の短期留学で私たちが実現したかった学びの姿です。

ウクライナの学校でも取り入れたい
オリガ校長先生は、今回のような対話の機会やグループワークを、帰国後、武道館高等学校の教育にも取り入れていきたいと話しています。
若者が社会や学校の決定をただ受け入れるのではなく、自分の意見を持ち、それを伝え、周囲と協力しながら変化を生み出していくこと。
これからのウクライナの復興と地域社会の再建において、若い世代の声と参画は欠かすことができません。
今回の経験が、高校生たちにとって「自分たちにも未来をつくる力がある」と実感するきっかけとなり、将来の行動につながっていくことを願っています。

この貴重な機会への感謝
今回、私たちを「こうとう未来ミーティング」の一参加者として温かく受け入れてくださった江東区長、江東区の職員の皆様、そして共に意見を交わしてくださった中学生・高校生をはじめとする参加者の皆様に、心より御礼申し上げます。
当日まで丁寧にご調整くださった山口様をはじめ、江東区の関係者の皆様にも、多大なるご配慮をいただきました。
また、今回の大切なご縁をつないでくださった家本賢太郎様に、改めて深く感謝申し上げます。
皆様がつくってくださったこの学びの機会は、一日限りの思い出ではありません。
高校生たちは、この日見たこと、感じたこと、考えたことをウクライナへ持ち帰ります。そして、自分たちの学校や町で何ができるのかを、これからも考え続けていきます。
日本でいただいた学びとご縁を、いつかウクライナのより良い未来へとつなげていけるよう、私たちも活動を続けてまいります。
このたびは、本当にありがとうございました。
