昨日、若い世代の健康についての記事を読みました。
記事では、2025年の国民生活基礎調査をもとに、高齢層では健康上の問題による日常生活への影響が改善する一方、若年層では悪化傾向がみられることが紹介されています。
この記事を読んで、改めて考えました。
「若い世代の心身の支えをしなければならない」
これが、私がファームここからを始めた原点の一つです。
牛と過ごす時間が、人の心を支える
ファームここからでは、ひきこもりや障がいのある方への就労支援を行っています。
でも、私たちが提供しているのは「仕事や環境」だけではありません。
牛に餌をやる。
牛の様子を見る。
子牛にミルクを飲ませる。
毎日の変化を記録する。
牛は、言葉を話しません。
だからこそ、こちらがよく観察しなければなりません。
「今日は元気かな?」
「昨日と何か違わないかな?」
そんなふうに牛と向き合っていると、自然と相手のことを考えるようになります。
そして、牛に触れたり、牛のそばで過ごしたりする時間そのものが、人の気持ちを落ち着かせたり、安心感を与えたりすることがあります。
私は、これもアニマルセラピーの大きな力だと考えています。
特に大切なのが、牛との関わりの中で生まれる「役割」です。
ファームここからでは、子牛を利用者さんの担当制にしています。
毎日、同じ牛を観察する。
ミルクを飲ませる。
体調を確認する。
そして、ノートに記録する。
牛にとっては、毎日の生活を支えてくれる大切な存在です。
利用者さんにとっても、
「自分がこの牛のお世話をしている」
という実感があります。
それは、単に作業を終わらせることとは違います。
「自分を必要としてくれる存在がいる」
「自分にもできることがある」
そう感じることが、心の支えになることがあります。
牛は、環境の変化を好みません。
毎日決まった時間に餌を食べ、決まった流れで生活する。
利用者さんにとっても、毎日のルーティンはとても大切です。
だから私は、畜産と福祉には相性の良さがあると考えています。
朝になれば牛のお世話がある。
今日も牛が待っている。
「行かなければ」と思える場所がある。
それだけでも、一日の大きな意味になることがあります。
若い世代にも、そんな場所を。社会復帰のきっかけとして。
今回の記事が示しているように、若い世代の健康についても目を向けていく必要があります。記事では「健康寿命の延伸には、高齢期だけでなく若年期の健康課題の注視が不可欠」とされています。
私は、すべての問題を牧場で解決できるとは思っていません。
しかしながら、
牛と触れ合う。
自然の中で体を動かす。
誰かに必要とされる。
毎日の役割を持つ。
命と向き合う。
そんな経験には、人の心を支える力があると思っています。
それが私の考えるアニマルセラピーであり、ファームここからが目指している牧場の姿です。
障がいのある方だけではなく、
生きづらさを感じている若い人たちにも、
「ここに来れば、少し元気になれる」
「もう一度、ここから始めてみよう」
と思ってもらえる場所をつくりたい。
牛と人がともに生きる牧場から、
誰かの「ここから」を支える。
それが、私がファームここからを続けていく原点です。
参考記事
Yahoo!ニュース掲載記事「若年層で『うつ病』による日常生活への影響が顕在化 高齢層とは対照的な健康動向」